スポーツコーチングイニシアチブ

私たちが取り組む課題

日本の子どもたちがスポーツを通して
人間的に成長し、未来を切り開ける社会を目指す

NPO法人スボーツコーチング・イニシアチブは日本の子どもたちがスボーツを通じて
自分らしく成長し自ら・地域の・日本の・世界の未来や可能性を
切り開くことができるようになることを目指して活動しています。

  • 日本の中学生の数

    322 万人

  • 運動部活動参加率

    56.7 %

  • 平均部活動参加時間

    780 時間

  • 日本の全中学生が
    一年間で部活動に費やす総時間

    1,400,000,000時間

    14億時間

日本のスポーツ教育の現状と、負の影響

  • CASE01

    CASE01

    「将来の夢」や「国や社会を変えられる気持ち」を持てない日本の子どもたち

    日本財団が2019年に実施した『18歳意識調査「第20回 ー社会や国に対する意識調査ー」』によると、日本の若者は世界の若者と比較して、成熟度・責任感・自己効力感などが低いことが明らかになっています。

  • CASE02

    CASE02

    中学生全体が部活動に費やしている時間の総計は"14億"時間

    ベネッセ教育総合研究所の調査(*1) によると、中学生全体の運動部活動加入率は 56.7%。また、1週間あたりの活動時間の平均は15時間18分で、年間(52週)で換算するとおよそ795時間となり、これは学習指導要領で定められた主要5教科の年間授業時数(630時間)を大きく上回っています。日本の中学生の総数は約320万人(2021年時点)のため、単純計算で320万(人)×56.7%× 795(時間)≒14億時間となり、スポーツを通じた教育活動には非常に多くの時間が費やされていることが分かります。

  • CASE03

    顧問の不足と教員の働き方改革で
    持続不可能な部活動

    上記の通り膨大な時間をかけて行われている部活動ですが、その中身はどうなっているのでしょうか。文部科学省の調査(*2)によると、部活動の悩みとして8割近い中学校が「顧問の負担軽減」を、半数以上が「顧問の不足」を挙げています。また、実際に指導に当たる顧問の先生方のうち、90%が「指導者資格なし」、さらに約30%は「担当部活動の競技経験なし」となっており(*3)、高いレベルでの指導を受けることは難しいのが現状です。既に文部科学省では、教員の負担軽減を目的として、部活動の地域化の方針を掲げています(*4)が、多くの地域では、それに対応する仕組みの整備は進んでおらず、特に青少年期のスポーツ指導に関して一定の知識を備えた指導者の確保は、喫緊の課題といえます。

    *2…「平成29年度運動部活動等に関する実態調査 報告書」
    *3…「令和3年 学校運動部活動指導者の実態に関する調査報告書」(公益財団法人日本スポーツ協会,2021年)
    *4…「学校の働き方改革を踏まえた部活動改革(令和2年9月)」文部科学省

  • CASE04

    暴力やハラスメントが続く
    日本のスポーツ環境と勝利至上主義

    もちろん、中には休日を返上して熱心に指導にあたる教員やボランティア指導者も数多く存在しており、彼ら彼女らが日本の豊かなスポーツ文化を支えていることは間違いありません。しかし、指導が加熱しすぎるあまり、生徒に対する体罰や暴言、ハラスメントが繰り返され、最悪のケースでは生徒が死亡(または自殺)する事件も後を絶ちません。これらの背景にある問題として、日本にはスポーツ教育の場面で「勝利」を最も高い価値基準においてしまう「勝利至上主義」があると私たちは考えています。短い指導期間の中で結果を出そうとするあまり、指導者の指示に従うことだけを生徒に求め、ミスを許さない雰囲気や選手起用の偏重などにより、必要以上のプレッシャーを生徒たちに与えてしまうパターンが多く見られます。2020年に国際NGO団体 Human Rights Watchから発表された調査レポート『数え切れないほど叩かれて』では、日本のスポーツ指導現場における体罰の実態が明らかにされており、課題解決の方法として、法改正や通報窓口の設置と共に、コーチの研修機会の確保などが挙げられています。

TO DO勝利至上主義から脱却し、「ダブル・ゴール」を目指すスポーツ指導へ

もちろん、スポーツにおいて勝利を目指すことの重要性やそこから得られる学びは、素晴らしいものがあります。そこで私たちは、日本のスポーツ指導をより良いものにする方法として、スポーツにおける「勝利」と「人間的成長」の両立を実現する「ダブル・ゴール・コーチング®︎」の普及に取り組んでいます。米国NPO法人「Positive Coaching Alliance」によって提唱されている同コーチング手法においては、勝者の定義を「得点板の勝者」から「熟達の勝者」へと変え、選手一人一人の成長に焦点を当てることでパフォーマンスを最大化することを目指しています。

私たちが描くスポーツ教育の
意義と子どもの成長

スポーツを通じた成長は
”子どもの権利”

スポーツには下の4点のように子どもの成長を促進する要因が含まれています。

2019年8月に発行されたUnicefの「子どもの権利とスポーツの原則」の中でも『遊びやスポーツは、子ども達の健全な成長に欠かせない“子どもの権利”である』ことが述べられています。スポーツを楽しみながら適切に成長していくことは”子ども達の権利”なのです。

  1. 楽しみながら取り組める

  2. 競争や勝敗が内包されている

  3. 継続的に取り組む

  4. 仲間と共に取り組む

子どもの成長に必要な思考を育む

従来の成果を重視した考え方から子どもの成長を重要視することで、子どものマインドセットを育みます。具体的な方法として米NPO法人の提唱する「勝利」と「人間的成長」の両立を実現するダブル・ゴール・コーチングを軸とした4つの事業を通してより良いスポーツ環境の再設計を目指します。

スポーツコーチング・
イニシアチブ
からの
メッセージ

私たちはスポーツ教育の新しい当たり前を共創します。スポーツは勝つことも大切です。しかし、私たちは、どのように勝利するか「勝利に向かって頑張っていくこと」に価値があると考えています。勝つことは目的ではなくあくまで手段。子どもたちが勝利に向かって日々成長しつづけられるスポーツの在り方を共創します。

私たちと一緒に、勝利至上主義のスポーツ教育を
変えることで日本の未来をつくりませんか?